STEAM教育

STEAM教育って?

STEAM教育とは?

科学・技術・工学・芸術・数学の5つの英単語の頭文字を組み合わせた造語です。
科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)。アート(Art)、数学(Mathematics)の5つの領域を対象とした理数教育に創造性教育を加えた教育理念。知る(探究)とつくる(創造)のサイクルを生み出す分野横断的な学びです。

なぜ今STEAM教育が注目されているのか?

背景にはテクノロジーの発展があります。身の回りには既に多くのAIやロボット、IOTといった科学技術が浸透しており、子どもたちにはこれらの技術を使いこなすだけでなく作る能力が求められています。しかし、実際世界中にはこのような理数系分野や芸術分野に強い人材は不足しています。

また、野村総研の調査によると将来的に日本の労働人口の49%がAIが行うことになるという結果が出ています。具体的には単純な事務作業の殆どがその対象です。また、公認会計士・弁護士といった一見インテリジェントに見える職種もとって替わられる可能性が高いと言われています。
加えて、米デューク大の研究者キャシー・デビッドソンは、「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は大学卒業時には現在存在しない職業に就職する」と考えています。そういった中、労働市場で生き残るためにも理数系分野、及び芸術分野の知識が不可欠となります。

「AIに使われる人間ではなく、AIを使う人間」になる、さらに、AIには不可能な人の感情に働きかける能力として「芸術能力への需要」が高まると考えられます。

どうして"Arts(芸術)"が必要なのか?


ここまでで多くの方が疑問に思うのは、なぜ”Arts”が必要なのかということです。たしかに、STEAM教育からArtsをのぞいたSTEMが使われることの方が多いのが現状です。

この疑問に対してはアメリカのジャーナリストダニエル・ピンク氏が著書「ハイ・コンセプト「新しいことを考え出す人の時代」の中で回答しています。彼は「グローバリゼーションの進化」「アジア各国の台頭」「オートメーション化の進展」に伴い、「左脳主導思考」から「右脳主導思考」に変化することが必要であると主張しています。

そしてその右脳手動思考に必須な2つの能力が「ハイ・コンセプト」と「ハイタッチ」です。
ハイ・コンセプトは規則性を見出す能力、芸術的で感情に訴える美を生み出す能力、人を納得させる話のできる能力、一見ばらばらな概念を組み合わせて、何か新しい構想や概念を生み出す能力「創造力全般」を指します。

ハイタッチは他人と共感する能力、人間関係の機微を感じる能力、自らに喜びを見出し、また、他の人々が喜びを見つける手助けをする能力「対人コミュニケーション能力全般」を指します。
ここからもお分かりの通り、理数能力だけでなく芸術的な能力も今後求められます。